【エビデンス】メタ分析、RCT、観察研究とは?

こんにちは、なすびです。

ということで前編の続きになります!

エビデンスの高い情報ランキング!

前編では「とにかく情報源大事だよね」みたいなことを書いたわけなのですが、つまりいくら専門家の主張でも情報元の質が低いと信憑性に欠けてしまうっていう話でしたね。

医師の情報源は基本医学論文になると思いますが、これは世界中の研究機関でおこなわれた研究結果をまとめたものになります。しかし医学論文にも研究のやり方、データの分析手法などによって情報の信頼度が変わってきますので、このポイントを押さえるだけでも情報に振り回されることも減るのではないでしょうか。

ということで、ここではそんなエビデンスの質をランキング形式でお届けします。上位の研究手法ほど信頼度の高いデータになっていますが、とりあえずランキングだけ押さえてもらえれば大丈夫です。

もっと詳しく知りたい方は、参考文献の統計学の専門書をどうぞ。


1位 ランダム比較化試験(RCT)のメタ分析

「そもそもメタ分析?ランダム比較化試験?」ってなると思いますので、まずはそれぞれについて説明をしていきますね。

ランダム比較化試験(RCT)とは?

定義は置いといて、早速具体例で説明をしていきたいと思います。

例えばA大学の一年生をランダムに100人集めて、生徒をXチーム、Yチームと2つのグループにランダムに振り分けます。

Xのチームには毎日ナッツを28g食べるように指示を出して、Yチームには何も指示を出さず、普段通りの生活をしてもらいます。

「ナッツを毎日食べるかどうか」という違いだけを作って、生活をしてもらい、XチームとYチームの健康状態を比較していく感じですね。

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実験要約

  • Xチーム ナッツを毎日食べる(介入あり)
  • Yチーム 普段通りの生活(介入なし)
  • 1ヶ月続けてもらう
  • その後体重や血液をチェック

「2つのグループの違いはナッツを毎日食べるかどうか?」なので、もしナッツを食べないグループに比べて食べるグループのほうがコレステロールの値が改善し体重の減少が見られるのであれば、これらの影響はナッツがお陰かもしれない!考えることができるわけです。

しかしながら「この結果ってナッツを食べたグループに、運動習慣がある人がたまたま多かったらなんじゃないか?」疑問に思う方がいるかもしれません。そこで重要なってくるのがランダムに人を集めて、ランダムにチーム分けすることです。

確かに人によって個体差があり、習慣も違います。ただここではランダム(くじ引きみたいなイメージ)にグループを割り振ることで、運動習慣がある人はXチームにもYチームにも均等にいるという状態が作れていると仮定しておこなっています。つまりどちらのグループも条件は同じなんだということで、差が出たとすればナッツの影響なんだ!とすることができるわけです。

ちなみに人によって運動習慣があるなしのことを、外部条件や外部変数などといいまして、

  • 年齢
  • 体型
  • 健康志向
  • 運動習慣
  • 家庭環境(収入など)

といったものがあります。精度の高い研究結果を出す上で、この外部条件を揃えることもとても重要になってきます。

本当は自分が二人に分裂して、片方の自分はナッツを食べて片方の自分はいつも通りの生活をさせるて比較できればいいんすけど、それが出来ないのでなるべく似た人を用意しないといけないわけです。自分が分裂できれば、運動習慣も年齢も思考も収入も同じで、外部条件は完璧に揃って最強なんですけどね〜。

色々書いてきましたがざっくりまとめると、

  • ランダム比較化試験(RCT)はグループ分けして効果を比較する研究
  • 運動習慣や収入など、外部条件が揃っているほど質が高い
  • 被験者が多いほど信頼度は高い(大数の法則)

みたいな感じです。

続いてメタ分析。

もうお腹いっぱいですよね、、、。

メタ分析

メタ分析とはいろんな研究を統合して、一つの大きな決断を出す研究のことです。

先程のナッツの例で説明すると、A大学で行われた研究では、ナッツでコレステロール値の改善と体重の減少が見られました。では次にB大学4年生の200人をランダムに集めて似たような実験をしました。結果コレステロール値の改善と、体重の減少が見られました。では老人ホームの60歳を対象に、アメリカ人を対象に、アフリカの民族を対象に、、、といった感じに対象を変えて実験を行った結果、これらすべての人にコレステロール値の改善と体重の減少が見られました。

こんな感じでいろんな国の実験で同じような結果出ると、「これはナッツがコレステロール値の改善や体重の減少が期待できそうだぞ!」という1つの大きな決断が出せるわけなんですね。

メタ分析はこのように似たような研究内容で、対象とする集団(母集団といいます)を変えて行われた実験結果を共通点を見出して、大きな結論を出すみたいなイメージです。厳密には違う部分もありますが、1つの研究だけでなく、いろんな研究をチェックした上で結論を出すという点で基本的に情報の信頼度は高くなります!

前編でも少し書きましたが、「玄米が良いということは、10冊中8冊述べられていたから正しそうだな」という話にちょっと近いです。逆に1つのRCTで良い結果が出たとしても、メタ分析してみたら全然効果がなかった!みたいなこともあるので、この辺はご注意ください。「カテキンは痩せるのか問題」という記事がいい例なのかなと思います。

2位 観察研究のメタ分析

では続いて観察研究です。

観察研究とはデータによる数値を何年間追跡して因果関係を図るものです。RCTとは違いって研究室で実験するとかではなく、パソコンと向き合って数値だけを追い続けるイメージですね。

もし観察研究でナッツが健康に与える影響を調べたいのであれば以下の手順になります。

  1. 普段からナッツを食べていて、健康的な人を見つける
  2. 普段ナッツは食べていないが、健康的な人を見つける
  3. この2つのグループを10年間追跡をして、発病率や死亡率を比較する

2つのグループに分けて比較するのはRCTと変わりませんが、実際に被験者と関わるのではなくパソコンのデータを追いかけるイメージです。

観察研究の特徴としてRCTほど外部条件をコントロールできないので、データの信頼度としては少し下がります。いかんせんデータだけだと、その人の健康意識や運動量はわからない場合があったり、時間の経過による健康意識の変化で結果に影響が出る可能性が高いからですね。

だからこそ被験者をより多く集めることで、なるべく誤差を減らす必要があります。例えば日本全国の平均身長を調べたい場合、100人で平均を取るか、10000人で平均を取るかだったら、確実に後者の方が偏りのない正確な値が出でます。被験者を多く集めることの重要性はここにあるんですね。(αエラーやβエラーは除く)

なので観察研究は1つだと信頼度が高いとは言えませんが、メタ分析のように膨大な研究データを集めることで、信頼度はよりアップします。

3位 ランダム比較試験(RCT) 一つ以上

RCTをたくさん集めたメタ分析になれば、信頼度は高くなります。ただ場合によっては一つのRCTで、十分信頼度高いデータが得られるとのこと。

RCTの信頼度アップのポイントとしては、

  • 被験者の数が多い(100人より1000人)
  • 実験の期間が長い(1週間より4週間)
  • 他のRCTで同様の結果が確認されている(2011年の結果と同じだ!)

という感じです。

メタ分析と違って一つのRCTの結果から「ナッツは体にいい!」と飛びつくのはちょっと危険。「Aの研究でナッツは体にいい!」と言われていたのに、Bの研究では真逆の結果が!みたい、結果がひっくり返ることも多いですからね。

なので個人的には「他の研究でも同様の効果が確認されているのか?」っていうポイントやメタ分析が出るのを待った方が、安全だと思います。


4位 観察研究 一つ以上

割と先に書いた通りです。

習慣や収入などの外部条件を固定することで、ある程度信頼度の高い結果を導くことができるが、RCTやメタ分析と比べると精度は劣ります。

研究者視点だと「研究にかかる費用が安い!」ってポイントで重宝されたりするんですが、まあ観察研究なら「そういう可能性もあるんだな〜」くらい捉えてもらえると良さそうです。

5位 動物実験

マウスなどの哺乳類で行われる実験ですね。人間も哺乳類なので、マウスで得られた効果が人間でも得られるんじゃないの?っていう考え方らしい。ただ人間とは構造が違うので、信頼度は落ちる感じですがマウス実験から思わぬ発展につながることもあるんだとか。

研究の基本方針として、とりあえず気になったことはマウス実験から初めて、その後人間で調査を進めていく流れみたいですね。

ちなみに動物実験の質がイマイチな例として「ロシアの動物実験」。これはうさぎにコレステロールを投与して動脈硬化になってしまったっていう実験なんですが、後になってうさぎは草食動物なのでコレステロールが身体で処理できないことがわかりました。

この実験によって、コレステロールに関する悪い噂が広まり未だにその迷信によってコレステロールが悪いものだと信じている人がいたりします。コレステロール0のマヨネーズを食べたところで、コレステロールは増えるってやつですね。

あと「添加物で癌になる!」みたいな主張をしているお医者さんの情報源が、実はマウス実験だったみたいなパターンもあるので、これも気をつけたいところですな。

6位 専門家の意見

前半で述べたとおりです。

エビデンスの質で情報の信頼度が変わるので、専門家も情報源がわからないとなんとも言ないんだそう。書籍なんかをみたときに、参考文献に論文のリンクとかが書いてあると信頼度は高くなるとも言えそうです。


7位 個人の意見

これも前半で長々と書いた通りです。主観的な感想や体験談はどうしても情報の質が低いので個人のブログとかは注意です。

当ブログでもサプリメントを飲んでみた感想など主観的な内容を書いたりしますが、これは「個人の感想だな」と信頼度を低く見積もってもらえると嬉しいです。

僕自身としてもなるべく参考文献(P)のリンクを添えるようにして、情報の信頼度を明記できるように意識します。

情報源は大事だよ!!

長々と書いてきましたが、とにかく情報源を大切にしたほうが良いってことですね。

前述しましたが、お医者様でも、統計学や栄養学を学んでなかったりする人みたいなので、必ずしも正しいことを言っているわけではないようです。もちろん正しいことを述べているお医者様もいると思いますが、その区別が難しいのも事実なんですね。

また現代は情報社会ということもあり、誰でも健康に関する情報をインターネットなどで入手することができます。その反面、間違った情報も広まりやすいし、何が正しくて何が間違っているのかもわかりにくくなりました。

「Googleの一番上に出てくる=正しい」というわけではないので、ご注意ください。

もし個人のブログを見て、「〇〇で痩せました!」と言っている人がいたら、「本当に〇〇で痩せたのか?」と疑ってみると良いと思います。また「〜が身体に良いらしいよ」と言われたら、「情報源はなんだろう?」と疑ってみると良いでしょう。

専門家だったら、「その専門家は何のエビデンスをもとして判断してるのかなー」と考えてみると良いかもしれません。

このブログの参考となった津川先生はエビデンスを重視している方で、非常にフェアな立場で食事に対する意見を述べています。とても参考になりますので、ぜひご覧になってみてください。

まとめ

  • 健康情報で大切なのはエビデンス
  • エビデンスとは再現可能性
  • 医学論文にも、実験のやり方によって信用度のレベルがある(RCTや観察研究)
  • 専門家正しさはエビデンスによる
  • 治療に関してはお医者様を信頼しましょう

参考文献

世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

計量経済学の第一歩 — 実証分析のススメ (有斐閣ストゥディア)

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